部門

バイオインフォマティクス研究部門

 ゲノム、オミックス、臨床データから、トップダウンアプローチ(統計解析)を用いて、診断、予防、治療法の提案や、医薬品投与の効果を予測する技術を開発します。
 ゲノムワイド関連研究(Genome-Wide Association Study(GWAS))を実施して、疾病の原因となる一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism(SNP))を探索します。インフルエンザウイルスの進化系統解析手法を開発し、次の年に流行するインフルエンザウイルスの塩基配列を高精度で予測します。社会問題となっている院内感染や伝染病伝播のメカニズムを解明して公衆衛生の向上に貢献します。

システムバイオロジー研究部門

 ヒトは、分子、細胞、臓器、全身から構成される階層的構造(マルチスケール)、内臓系、循環器系、神経系などの系統からなるマルチシステム構造、化学、力学、電磁気学に基づいて動作するマルチフィジックス構造をもちます。ボトムアップアプローチを用いて、このような複雑な構造をデジタル化し、生物医学研究のベースとなるヒトのコンピュータモデルを開発します。
 実際的目標としては、薬剤化合物と受容体タンパク質の相互作用を予測するシミュレーション技術を開発します。がん細胞内の生体分子相互作用や代謝学・生理学的変化の因果関係をシミュレーションして、がん治療のための多剤併用療法を提案します。3次元モデリング技術を用いて、環境変化(血液中の物質濃度変化など)や遺伝的変化(がん化など)に対する組織や臓器の変化を予測します。

バイオエンジニアリング研究部門

 情報工学のシーズを医療ニーズにマッチングさせて、さまざまな生物医学的課題を解決します。たとえば、消化管や血管内での物質移動の仕組みを解明して、マイクロレベルの加工技術を用いたドラッグデリバリーシステムを構築します。 Computed Tomography(CT)、Magnetic Resonance Imaging system(MRI)、Positron Emission Tomography(PET)、超音波の画像を解析するコンピュータ支援診断システムを開発します。唇の動きから発話内容を読みとる読唇(画像処理)技術を開発して、それを用いたコミュニケーション支援システムを構築します。脳波を計測し、それをコンピュータ解析することによって人の思念を読み取り、脳とコンピュータ間の情報伝達を仲介するBrain-Computer Interface (BCI)を開発します。

国際教育研究交流部門

 アジアとの教育研究交流を深める組織であるAsian Bioinformatics Research and Education Network(ABREN)を発展させます。ABRENは、インターネット上でマルチメディアを駆使して、研究者や学生同士で教育を行ったり、情報交換を行ったりする仕組みです。定期的に国際会議や国内会議を開催して、研究成果を世界に発信し、生物、医学、工学、情報系の科学技術者との異分野間交流を積極的に進めます。

研究のロードマップ
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